機動武闘伝Gガンダム

Gガンダムの小説。
記念すべき20回目も10回目に引き続きガンダムで(笑)
全三巻。

 皆さんは機動武闘伝Gガンダムという物語をご存知ですか?

その物語は長いガンダムの歴史の中でもっとも異色の物語といわれている。

その作品の中ではガンダム同士が格闘技で戦いあう。

ガンダムはモビルスーツにあらず、モビルファイター。

生身の人間がモビルスーツを倒し、モビルファイターが気をはなつ。

ガンダムファイターは国の為に命を懸ける。

四年に一度、地球をリングにファイター達は戦いあう。

ただ一人許された「優勝者」を目指して。

今までのガンダムが表現してきた「戦争」や「人と人の戦い」、「現実性を持った兵器」はでてこない。

熱い物語なのだ。それゆえ異色と呼ばれている。

そして、流派・東方不敗は伝説となった・・・

 ということで、Gガンです。

このガンダム、人気があるかないかといえばあるんですけど、

嫌いなガンダムの上位にもいるという不思議なものです。

そりゃ、まあ、特殊なガンダムですからねぇ・・・

もうスポ根ガンダムですし。それまでには全く存在しないものです。

ですが、僕は大好きです。もう、GガンLOVE!!

 さて、そんなわけで小説の話。

当時からGガンだいすきな僕は発見次第即購入。

第一巻「発動の章」平成7年9月1日初版。当時10歳、小学四年生。

・・・・・・内容は小学四年生には重いです。

説明がなまなましい。

「シャイニングガンダムの顔面に飛び蹴りの一撃が突き刺さった。
絶叫を上げたドモンの身体が吹っ飛ぶ!
ぐしゃりと壁面のスクリーンに叩き付けられた。
顔面がくだけたのか。視界が暗い。
鼻から脳天へ爆風のような痛撃が抜ける。
ドモンはのたうつ。
目が!目が見えない!?
脇腹にも蹴りの一撃が炸裂する。
オウ―――――ッ!
ドモンを殺す為の攻撃だ。容赦がなかった」

 小学四年生が読むには少々おもいです。

というか、じぶんが考えていた「Gガンダムの小説」と違い過ぎ。

そう、この小説はTV版Gガンダムとは似て異なるもの。

設定からしてちがうものも多いです。

シャッフル同盟なんて出てきませんし、もちろんキング・オブ・ハートもでてきません。

ガンダムファイト自体にもあまり意味がありません。

そもそもガンダムがシャイニング、ドラゴン、マックスター、ローズ、

ボルト、マスター、デビルしか出てきません。デビルも初期型のみ。

その他キャラクターの違いを細かく書きましょう。

ドモン=カッシュ
 TV→主人公。一話では素手で弾丸をとめたりした超人。強い。
    流派東方不敗継承者&現キング・オブ・ハート。
    数々の技を持ち、刀も使いこなす。
    ラスト、宇宙に見られながらレインに告白する熱血屋さん。
    子供時代、家族から逃げ出し東方不敗と出会う。
    レインと「石破ラブラブ天驚拳」をはなった。
 小説→主人公。一応流派東方不敗印可。
     だが、けっこう弱い他の格闘家にやられたりする
     (もちろんマスターアジアにもやられる)
     しかも第一巻で精神世界が暗黒に染められレインに「人でなし!」といわれる。
     父親によってマスターアジアに弟子入りさせられる
     一応必殺技はシャイニングフィンガー(生身で)
     ちなみに親指、人差し指、中指の三本で繰り出す。
     ゴットガンダムどころかスーパーモードにもなりません
     彼のあの手もひかってうなりませんお前を倒せと轟き叫びません
     明鏡止水ってなんですか?

レイン=ミカムラ
 TV→ヒロイン。20歳に見えない。メカニック兼医者(20歳なのに)。ドモンの幼なじみ。
    けっこうおちゃめなところも。アレンビーが恋敵。
    終盤ラスボスになる。ラストドモンと「ラブラブ天驚拳」を放つ。
 小説→かなり冷たい医者兼ネオジャパン首相秘書。ドモンとは地球で始めて会う。
     ものすごい美貌の持ち主でけっこう強い。性格が冷たい
     最後の方になってやっとやさしい面をだすが・・・
     ちなみに、ドモンとはなにもありません

マスターアジア
 TV→ガンダム史上最強のおじいさん。東方不敗とも名乗る。
    荒廃した地球を救う為、デビルガンダムと組む。
    愛機はクローンガンダムをDG細胞によってパワーアップしたマスターガンダム。
    前回のガンダムファイト優勝者。
    最後、病によって倒れる。風雲再起という馬を飼ってる。
 小説→荒廃した地球をみて、人を滅ぼすことを決意・・・
     とここまでは一緒。だが、ガンダムファイトとは無関係
     あまり有名な人でもない。強いけど。
     終盤、自己矛盾により精神を強く錯乱させる
     ラスト、デビルガンダムによって倒される。
     石破天驚拳をぽんぽんだす。もちろん最強の威力。
     マスターガンダムが愛機だが、銀色の翼を持ち、最初からマスターガンダム。    

チボデー=クロケット
 TV→百戦百勝のボクシングコロニーチャンピオン。
    正義感が強く陽気な男である。
    キボデーギャルズなる美女グループを連れている。(兼メカニック)
    ピエロが苦手。
    ガンダムマックスターの1/100のプラモデルはいい出来(関係ない)
 小説→生身のドモン相手にマックスターを操り攻撃
     たおされそうになると人質を取るなど卑怯な人。
     シャイニングフィンガーをきめられぼこぼこ穴をあけられ敗退。
     敗退後、ファイターの地位を追われ、倉庫街でくすぶっていた。
     ラスト、ドモンを救う為タクラマカン砂漠に表れる。
     なぜかこの人だけTVで新必殺技だった「マシンガンパンチ」を繰り出す。
     (マックスター以外は必殺技は一つのみ)
     ギャルズ無し、ピエロに関してはまったく興味無し(笑)

サイ=サイシー
 TV→若干16歳のファイター。少林寺大僧正の息子。
    小林寺拳法の使い手。身長132cm体重32kgという格闘家らしからぬ体型
    (ちなみに僕は小学ニ年の時点で彼を抜いています)
    おしゃべりなお調子者である。
    ドモンの事をアニキと呼びしたっている。
    料理の腕もプロ級。チャーハンや野菜炒めがとくいらしい。
    ドラゴンガンダムはかっこいい(関係無)
 小説→天才格闘家。ドモンも一回倒される寸前までやられる。
     基本的にはおしゃべりだが、拳法について博識である。
     拳法をこえた拳法、超拳の一つ「多身神足通」をつかう。
     シャイニングにたおされたあと、ドモンの事を尊敬し「兄貴」と呼ぶようになる。
     また、チボデー、ジョルジュをに助けを頼んだ。
     このことにより、ドモンはデビルをたおしたのだから、
     一番の功労者であろう。
     ドラゴンガンダムの両手の龍は紅い設定。

ジョルジュ=ド=サンド

アルゴ=ガルスキー

 この二人はあまり小説版でもかわりません。
ローズのローゼスビットがちょっとちがう。
ボルトガンダムはボルトハンマーを二基装備。強い。
また二巻ではデビルガンダムに破壊され、ドモンに助けられる。
最後助けにくるときは、ニ体目。

 ・・・・・・・とまあ、結構違いますね。

何より、「デビルガンダム」のせっていがほとんど違います。

デビルガンダムはTVでは地球を直すために作られましたが、

小説版では「ただ単に強い兵器」としてでてきます。

 自己修復はします(でもだいぶ遅い)が、自己進化、自己生産はしません。

そもそもドモンの為につくられた兵器だったりします。

結構ちがいますよね。

もちろん、シュバルツ=ブルーダーもでてきません。

 

 ページ数は200前後の比較的読みやすい小説です。

ドモンがばったばった敵を倒していく内容ではないので子供向けではないでね。

逆に言えば大人が読んでおもしろいとかんじる内容だと思います。

作者はGガンダムの脚本家ですが後書きで「Gガンダム」で

えがけなかったテーマを書きたかったといっています。

 ガンダムファイトも「戦争を管理する」という目的で作られており、

ドモンの敵も「ファイト誕生により仕事をうしなった軍人」になっています。

つまり、軍が相手になります。

それは、スポーツ性をもったTV版と違い、従来のガンダムに近いものだと思います。

人間の秘めた暴力性、その余波が生んだデビルガンダムとの死闘の物語です。


 従来のガンダムに近い、Gガンダム。

その答えがこの小説版「機動武闘伝Gガンダム」なのです。

俺的総合評価 ★★★☆☆ Gガンとしてはちょっとつらいかも
TVと違う度 ★★★★★ もう設定から違います。
基本的な事以外は別物です。
ドモン弱い度 ★★★★☆ いつもやられそうです。
TVでのあの余裕はどこへやら
サイサイシー
いいやつ度
★★★★★ こいつなしでは今回の物語は
語れません。
ガンダム度 ★★☆☆☆ あまりガンダムではないですが、
小説版のガンダムは結構ガンダムしてません。
オススメ度 ★★★☆☆ Gガン好きな人は是非よんで頂きたい。
Gガンを見た事ない!?絶対みろ!!

一言。
でも、やっぱり期待を裏切られた感じは否めません。

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