Sound-Rider

CONTELLING「とりあえずウーロン茶」

舞台音響(システムプラン/マイクPA/録音)

コンテリングポスター

公式twitter

スタッフ、出演者はHPを参照ください。
主催:ソニー・ミュージックエンタテインメント
   ホリプロインターナショナル
脚本/演出:森田哲矢(さらば青春の光)
<出演>
木村昴
鳥海浩輔
山下大輝
田所あずさ
早見沙織
会場:よみうり大手町ホール

資料

仕込み図 回線図

ざっくり解説

概要

知り合いの音響さん経由で参加することになりました。プランナーはその方で、今回の僕の担当はシステムプランとマイクPAでした。メインの音響さんがプラン、音出などを担当してます。
お笑い芸人さんが作ったコメディコントを声優が読む朗読劇、という企画です。今回はさらば青春の光の森田さんが脚本、演出。稽古に参加するまで想像できなかったのですが、森田さんの作るコントを別の人が読む、というだけでも結構面白くて稽古場でびっくりしたのを覚えています。木村昴さんの守備の広さが半端ない稽古でした(笑)
公式ツイッターの写真にあるように、一人一人にマイクを立てました。演出も朗読劇というより、ラジオコントに近い形でした。脚本の時点でかなり面白く、声優さんの芝居もよくて、なんだかよくわからない面白さのエネルギーがありました。

サウンドプラン

 本件は先輩の横山斉実さんご協力頂き、プランニングから本番までかなり助けていただきました。
 今回は声優さんの朗読劇ですので、お客様も声優さんが好きだったり、アニメが好きだったりする方が多いと思います。この作品で重要なのは、しっかりと声を届けることだと考えました。横山さんと相談し、YamahaのDZR15とDXS15の組み合わせにしました。インフィルにもYAMAHAのSPを使い、どこで聞いてもきれいに聞こえるような音を目指しました。
 また、演出的に舞台の外で音がしたり、環境音などを流すことがありましたので奥にSPを置くなど演劇的なSPの使い方もしています。ディレイについては、各SPそこまで入れていません(プロセのぞく)
 劇場自体の小屋鳴りが素晴らしく、ポイントソースのSPがきれいに鳴ってくれました。コンサートなどでもきれいに響きそうな素晴らしい音響設計ですね。
 本番自体は2日間だったのですが、その前日にプレイベントとしてトークショーが行われました。そこで、森田さんのボイスサンプルを録ったり、昴さんがラップを披露したり、もりたさんと早見さんもラップをと無茶ぶりされ、見事こなしたり、楽しいイベントでした。音響さん的にはモニターをしっかりしたり、収録用マイクを持ち出して録音したり、楽しいイベントでした(笑
ウーハーいれておいてよかった。。。

システムについて

  〇卓周りについて

TM90のEQ

宅周り(仕込み途中なので汚い)
(許して)

 メインミキサーにはMidasのM32Rを使用しました。BehringerのX32Produserのマイダス版です。 これとステージボックスDL32との組み合わせですね。マイダスのM32は普段使っているLS9と比べてもSNが良く、ハイがきれいに出ていて、ライブなどでは非常に使いやすい印象があります。実際ピアノなどのソロコンサートではM32をお借りしています(この一つ前の仕事でもお世話になりました)。また、今回は録音もしていたのですが、そのバックアップとして、LIVEカードを装着し、必要トラックを録音していました。また録音用にDL16、TC Studiokonnekt48を使っています。録音については後述します。
 M卓として、LS9を使っています。M用PCはMacBookPro15"、AbletonLive10使用、I/Oはpresonus Studio192という僕のいつものセットを使ってもらってます。また、バックアップとしてもう一台PCを出し、それをGIGAPORTHD+で接続しています。
 回線図にはかいていませんが、ステージ袖にステージボックスDL32を設置していて、そこにマイクなどは直接接続しています。小屋の回線については、小屋のアウト周りと、下⇔上のジャンプ用にお借りしています。LANケーブルは70メートルのドラムで十分間に合いました。マルチを引かなくてよいというのは非常に楽ですね。
〇アウトについて
 メインSPはYamaha DZR15+DXS15を使用、ディスタンスロッドで高さをあげています。その間にインフィルとしてDXR8を置きました奥のSPとして、DXR12をスタンド立てしています。奥のSPからは環境音や、袖から人の声がするという演出があり、その音を出したりしていました。またモニターも兼ねています。サイドモニターについてはCBR10です。ここまですべてYamahaのSPです。同じメーカーですのでやはり音がそろっている感じが良かったですね。プロセSPとして劇場のプロセをお借りしました。遠近別になっていまして、送りも分けてあります。近狙いについてはあまり音を送っていませんでしたね。初日のトークイベントの際にウェッジモニターとしてAM12を置いてあります。これはラップをするという時間があったのでその際にモニターとして使いました。
〇マイクについて
 朗読用のマイクはSM58を使っています。それを円形ベースのスタンド、K&Mの26090で立てています。今回は全員の立ち位置が固定でしたので、高さなどは役者さんに合わせた高さにしてあります。入れ替わったりする場合は身長の低い方に合わせることもありますが、固定のほうがやはり安心ですね。固定なのもあり、ケーブルはかなり綺麗に這わせました。
 初日のトークイベントでは、森田さんも出演し、そこでボイスサンプルを録ろうという企画がありました。そこで、ちょっと気合いを入れてもらうために、ラージダイヤフラムのコンデンサー、StudioProjectのB3を準備しました。形から入るって大事(笑)
〇録音について
 初日に行われてたトークイベントでは森田さんのボイスサンプルを録ろう、という企画がありました。それに伴い、各マイクをマルチで録音していました(その場で流せるようにもなっていましたが、それは使いませんでした)。
 具体的には、卓の袖にDL16を設置、AES50接続でM32Rの2つ目のステージボックスとして接続されています。そこから各マイクをdirectOutで出力、TC Studiokonnekt48に入力して録音しました。使用DAWはAdobeAuditonです。また、バックアップとして、M32RにLiveCardを差し、SDメモリーカードにも録音していました。実はLiveカードにはUSBスロットもついていて、I/Oとして録音することも可能です。ですが、まだやったことなく、検証している時間がなかったので、今回は見送りました。
 ちなみに、録音した音源を使って実際のボイスサンプルも作ってみました。編集も僕がやって、録音した次の日にツイッターに上げてもらいました。いやー楽しくなっちゃって、夜遅くまで作ってしまい、次の日はちょっと寝不足でした(笑)
そのツイートはこちら↓


 「ボイスサンプル録るんで、皆さん静かにしてください!」って大きな会場で言ってるのってすごい面白い絵でした(*‘∀‘)