「山田雅人 かたりの世界「爆笑問題・太田光物語」」
配信音響/舞台音響(プランオペ)
企画・高田文夫
制作:渡辺誠
制作協力:gina creative management
会場:座・高円寺2
<出演>
山田雅人
<ゲスト>
太田光(爆笑問題)
<ゲスト証人>
高田文夫 松村邦洋
資料
「太田光物語」山田雅人の熱い語りに太田もタジタジ「こんなに出にくいステージ初めて」https://t.co/LjS6I1H9JE#太田光物語 #爆笑問題 #山田雅人 #高田文夫 #松村邦洋
— ENCOUNT (@encountofficial) October 24, 2020
爆笑太田 山田雅人の先入観を訂正「オレはそんなに熱い人間じゃない」(東スポWeb) https://t.co/u5Jed5XXmZ
— 山田雅人 (@tenpointo3155) October 24, 2020
爆笑問題・太田光が山田雅人のかたり「太田光物語」にゲスト出演 「全然違います」など毒舌の突っ込みで刺激的な展開に https://t.co/NBhqnugWYZ
— 山田雅人 (@tenpointo3155) October 24, 2020
解説
概要
普段はタレントとして活躍している山田雅人さんの「語りの世界」、今回は爆笑問題の太田さんの人生を語る、という舞台です。もともとはGWに舞台という形で公演を行う予定でしたが、コロナ禍の自粛により配信での公演になりました。ゲストに高田文夫先生と松村邦洋さん。高田先生は山田雅人さんに「語りの世界」で太田さんの話をするように言って後見人として参加、松村さんは太田プロの同期としてのゲストとのことで、漫談で会場を沸かしていました。
見る人がいないとやっていて盛り上がらないということで、関係者がお客役として会場に入り、生の反応を届けていました。
と、いうことでなぜか僕が音響で参加することになりました。
舞台の制作をやっている知り合いからの紹介です。テレビマンユニオンの方から、なんでもあくまで舞台として作りたいから舞台のスタッフを探しているということで連絡が来ました。テレビマンユニオン。ええ。大学の先輩方がいっぱいいる会社ですね。ええ。はい。なんていうか、むしろ僕が放送学科だっていうのに演劇やってる、言ってしまえばそっち側の人間ですけども、舞台のスタッフとして呼ばれちゃっていいんですか。さらに言えば高田文夫先生は大学の先輩ですし・・・そういや太田さんもそうか・・・大学って怖いなぁ。。。
ということで頑張りました。はい。
サウンドプラン
今回はあくまで配信のメインに考え、配信に音を送りつつ、PAします。なので、スタジオでの音響に近い形でマイクを準備しました。ちなみに、基本的に全員がハンドマイクを持って話しています。(松村さんの漫談のみピンマイク)具体的には客席に向いている音がいつもより小さく、各ハンドマイクに入ってしまう回りこみの音を下げるようにしています。メインSPの送りが3~5dbほど下げ、その代わりにプロセに音を送って客席側のフォローをしています。普段の演劇ですと、これをやってしまうと音像が上に上がってしまい、役者さんの声が上から聞こえてしまいます。ですが、今回は配信がメイン、お客さんが聞こえる音像より回りこみの音を下げることを優先しています。
客席側にもガンマイクを向けて、笑い声などを集音してます。どうしてもSPの近くに設置しているので、SPからの回りこみの音が入ってしまいます。ヘッドフォンでモニターしながらバランスを決めて、さらに笑い声に反応するようにエキスパンダーで回りこみの音量を下げています。 前半は松村さんの漫談と語りで、山田さんと太田さんが椅子に座って登壇、後半はゲストを呼んで、4人でのトークショーでした。今回はコロナ禍ということもあり、全員が別のマイクを使用し、また出演者の間にアクリル板が設置されています。アクリル板越しですとどうしても声が聞こえにくいので、マイクの音を大きめにモニターから返しています。この音の回りこみは諦めです。時間があればモニターSPを仕込むのもありだったかもしれません。(今回は転換の時間も短かったのでやめました) あくまで収録がメインですので、各マイクのHAを大きめにとり、トップを-6ぐらいにしました。数字で言えば、CL-3のHA、SM58で-40dbぐらいしてあります。そして、送りで下げています。収録送りはトップを-6db、通常のトークを-10~-12dbぐらいにして送っていました。ですので、各マイクでもコンプを入れて、さらに送り(MIX)の方でもコンプを強め(アタック0sec、レシオ6:1など)にいれて、リミッターっぽく使っています。各マイクで調整をしつつ。最後の調整と音量過多の防止をMIXで送っている感じですね。
トークショーですから、どうしても笑い声が大きくなったりしてしましす。もちろん、手でも操作しますが台本があるわけではないので突発的に笑うことはあり、リミッターを入れておくと安心です。
ちなみに、配信の方ではラウドネス測定をしていました。概ね問題なかったようです。
また、バックアップでマルチ録音をしています。DANTEでPCを接続し、各マイクをDAW(毎度おなじみAudition)で録音しています。使うことはなさそうでしたが、録音自体は問題なく完了しました。
システム
基本的には座高円寺2のものをお借りしています。メインミキサーがyamaha CL-3、メインSPとモニターSPがd&b Ci90。劇場プロセも使用しています。マイクは山田さんのマイクがSM58、他の方のワイヤレスにゼンハイザーのEM3732&SKM5200の組み合わせです。バックアップにLine6のワイヤレスも持って行きましたが、結局劇場のB帯をお借りしました。また、お客さんの笑い声を拾うようにNTG2を2本持ち込みました。笑い声は反応として拾いたいけども、あまり大きすぎるとマイクの反響音まで拾ってしまうので、音量には気を使います
音出しはMacBookPro15”(2014)+Persons Studio192。客入れと出ばやしを出しました。出囃子だけでなく、お客さんの客入れBGMを流していました。配信の蓋絵(配信が始まるまでの待機の時に出ている絵)に音が入っていて、それとは別の客入れ音楽を会場で流していました。ちなみに流していたのは同じ曲です。(タイミングは同期してません)
本番中はヘッドフォンで配信に渡しているMIXを基本的には聞いていました。たまに外の音を聞いていましたが、プランの話でもしていた通り、基本的には配信の方を優先して聞いています。なので、本来のPAより3dbほど下げて出していました。
録音はMacBookPro13”(2014)でLAN接続でDanteを入力しています。各チャンネル、そして配信へ渡しているステレオ出力をDAWで録音しています。
上記の通り、HAは普段に比べ大き目でとっているので、そのまま録音してもトップが―12db程度で録音できました。皆さん笑い声などでかなり大きな声でも話していて、コンプがかなり活躍していました。
感想など
ご縁があって今回の仕事を受けることができました。配信ですが、関係者も入り、その方々にちゃんと聞こえつつ、ドライな音を配信へ送るのはかなり大変でした。TVなどで聞くことはかなりドライな音が多く、配信だけだと反響音などが入る場合はこちらの音を下げれば良いだけですが、お客さんが入っているのであればちゃんとPAをする必要があります。しかしあげてしまうと音が反響してしまう。。。ということについて、どこで妥協するかで苦労しました。スタジオでは流すスピーカーと客席との間に距離があったりして、声を大きめに録ってます。ですが劇場だとなかなかうまくいかず。。。。これについてはこれからも探っていこうと思います。
また、今回劇場のゼンハイザーのワイヤレスマイクを使っていたのですが、ゼンハイザーはあくまで歌用のマイクなので、トークになると吹かれを拾いやすいですね。(あくまで58とかと比べて、です)特に太田さんと松村さんのように息が強い話し方をしていると吹きやすくて大変でした。かなり強めにローカットしても、はやりユニット自体の音は拾ってしまうので、吹かれの「ぼっ」という音は入ってしまいます。スポンジのポップガードなどを入れてもよかったかもしれません。
配信の方々にもよくして頂き、スムーズに終わることができました。
山田さんの語りは素晴らしく、その横での太田さんのツッコミと苦笑いは最高でした。楽しい会に参加できて本当によかったと思っています。
おまけ
高田文夫先生は、放送学科の大先輩であり、また日芸のことが結構好きでよくラジオなどでもお話ししています。それはよく存じていたのですが。。。まあ、ほら、挨拶ってちょっと面倒じゃないですか。もちろん、フリーランスとして間違ってるのは重々承知の上で言ってますよ。(そういうのが苦手でフリーやってるところあるし)
で、うまく逃げられるかな〜なんて思っていたところにプローデューサーの方から「先生に挨拶できた?」って悪意0の笑顔で言われてしまって。。。これはもう逃げちゃダメだ、ってなったんです。
そして、本番前の楽屋にご挨拶に行ったわけですよ。ものすごい談笑が進んでてね。笑い声が絶えないわけですよ。
で、すこしだけ笑い声が下がったタイミングで楽屋に入ったわけです。「失礼します!音響の島村です!よろしくお願いします!あの、高田先生。ちょっとご挨拶させていただいていいですか?」みたいな。んでみてみたら、山田雅人さん、松村邦洋さん、太田光さん(日芸の先輩)、奥様の光代さんがいて、一番奥に高田先生がいるわけですよ。
そりゃこの世界にいるわけですから、芸能人にはよくお会いするのでそこまで緊張しないんですけども。言ってしまえば、「学校の先輩」じゃないですか。ここ数年・・・いや、下手すると大学在学中だってあまり「後輩」なんてスイッチ入れたことないから、なんだかへんな緊張で震えちゃって、もう。
太田さん「裏口入学した?」
僕「は、はい!2浪で!」
なんていうなんかよくわからん緊張をしてしまったよ。。。正直なに話したか覚えてない。。。
なんか失礼なことを話していないか不安で仕方ありません。。。
本番は上記の通り無事に終わりましたけども。 いやぁ、35になっても緊張しますね。
しかし皆様、本当に良い方々でした。。。はぁ。