Sound-Rider

「新しい耳」第29回テッセラ音楽祭
第1夜「小倉美春の耳」

バックトラック再生

ポスター

公式HP

出演者はHPを参照ください。
主催 廻 由美子
会場 サロンテッセラ
演奏 小倉美春(pf)
   薬師寺典子(sop.)
   松岡麻衣子(vn.)

[プログラム] 
第一部
小倉美春 作曲

Lucifer for soprano, violin and piano (2021)
~とある悪魔のものがたり~
~a story of a devil~

Pas pour piano, Labyrinthe pour piano (2018)
~光・渦・熔~

第二部
あなたとわたし (2021)
( テッセラ音楽祭委嘱・世界初演)
“Call” monodrama for soprano, piano and electronics(2021)
(A work commissioned by Tessera Music Festival A world premiere)
エレクトロニクス:向井 響

資料

仕込み図

解説

概要

 何度もPAやってる小倉美春さんが、三台のピアノでもご一緒した廻先生主催の「新しい耳」というコンサートに出るにあたり、バックトラックの再生が必要だと連絡が来ました。
 具体的には2台のピアノを並べ、向かって左を美春さんが演奏、もう一台からPC音源が出ているイメージだそうです。むぅ。。。
 ということでは今回はPAではないので、ざっくりとした音出しのプランとスピーカーの置き方などを書き残しておきます。

サウンドプランについて

メモ1メモ2

打ち合わせの時に送ってくれたメモ。

 今回はピアノをマイクで拾うPAは行いません。上記しましたが、置いてある弾かないピアノから音出ていて、見えない奏者と共演しているイメージで音を出します。また、それ以外にもパーカッションなどがなったり、シンセで作ったアンビエントっぽい音が聞こえたりもします。さらに、美春さんが作った架空の言語がいろいろなところで囁くと。それらが箱型な会場でうまくなるにはどうしたらいいか、イメージを美春さんや石島先生と話しながら作っていきました。
 会場はサロン・テッセラ。箱型の空間ですが天井が高く、また壁もきっちり音響設計されているので非常に良い音で聞こえる空間でした。また客席後方にPA,照明用のスペースが有り、そこに簡易的なPAブースが有り、今回はそこに卓を組むことができました。
 今回はマイクで音を拾うのではなく、音の再生、特にピアノの音を自然に出すのがミッションです。そのため、ピアノの下にSPを設置して、できるだけピアノから出ているような音像を目指しました。またモニターを兼ねたSPを奏者側にも設置します。メインSPはYamahaCZR10を持ってきました。ピアノを流すにはちょうど良いSPだと思います。ピアノの下に、箱の上に乗せた状態で上を向け設置しました。ピアノと引いてもらい、音量を合わせると割とピアノから出ているような音像になりました。また、ピアノ以外の音も出すため、メインピアノの足元にも同じCZR10を設置しました。こちらのSPからはピアノ以外の様々な音が出ていました。なんとも説明しにくいのです(笑)
 また、客席後ろからも音を出したいという指示もあったので、BOSEのサテライトSPを準備しています。調整室の窓際に置きました。小さなスピーカーですが、さすがBOSE製、大きさの割にしっかりした音が出てくれます。後ろからの音をしっかり届けることができました。惜しむらくは上からの音になってしまったことですが、アンビエントやリバーブの音を主に出していたので、効果は十分だと思います。
 今回の2部の曲は、2台ピアノが並んでおり、奏者がいないはずのピアノ奏者と共演するイメージがあり、その世界に色々な音や実際存在しない声などが入りこんでくるイメージで作られているそうです。具体的に言うと、ピアノ以外の音は色々なところで鳴っていてほしい、ということですね。ということで、エレクトロニクスを担当する響君から再生する音源をバラバラにもらい、それぞれの音の場所を現地で場所を決めていく、という作業を行いました。
 音出しには毎度おなじみAbletonLive10を使用しています。
 途中にピアノの演奏に加わるアンビエントの音がフェードインしてくるというところがあったのですが、これを宇宙から生まれた声がだんだん現実化してくるイメージを作りたい、との演出がありました。もう少しわかりやすく言えば、遠くの音が近づいてくるイメージだと。もともとアンビエントの音がフェードインしてくるようになっていたのですが、フェードインだけだと音が近く感じてしまうとのことでした。そこで、実音のフェードインの前にリバーブをかけたウェットな音を出して、そのウェットな音空間の中に実音がフェードインしてくることで音の表現を作りました。このウェットな音は、元の音に長めのリバーブをかけたもので、Live内蔵のものを使いました。内蔵の長めのリバーブの音は結構すきでして、今回も活躍してくれました。ちなみに、音出しについては美春ちゃんの後輩にお願いしています。譜面渡されても( ゚д゚)ポカーンなもので。。。
〇システム
ミキサー LS-9
メインスピーカー ヤマハCZ10
メインスピーカー用アンプ Yamaha PX5
バックスピーカー BOSE サテライトSP
バックスピーカー用アンプ BOSE 1200Ⅵ

バックトラック再生 abltonLive10
I/O PresonusStudio192